泡立てNo.01

試してみよう!|泡立て方のコツと、研究者が見る泡のポイント

14 Jul 2026 • 加賀 裕章

試してみよう!|泡立て方のコツと、研究者が見る泡のポイント
目次

「しっかりとした泡で洗顔したい。」

「同じ洗顔料なのに、うまく泡立つ日と泡立たない日がある。」

「泡立ちにくいのは、自分のやり方が悪いの?それとも洗顔料の違い?」

そんなふうに感じたことはありませんか。

私も洗顔料を評価するとき、泡立ちを何度も確認していますが、実は泡立ち方は少しコツを意識するだけで泡立ちが変わることがあります。

もちろん、泡立ちやすさは洗顔料の処方によっても異なります。界面活性剤(洗浄成分)の種類や配合バランスなどによって、泡立ちやすい製品もあれば、ゆっくり泡立つ製品もあります。

それでも、多くの洗顔料で共通する「泡立てやすくするポイント」はあります。

このコラムでは、泡ができる仕組みと合わせて、今日から試せる泡立てのコツをご紹介します。


まず結論|泡立てを変える3つのポイント

泡立てを良くするために意識したいポイントは、次の3つです。

・洗顔料を水(またはぬるま湯)にしっかりなじませる

・空気を十分に取り込む

・水を一度に入れすぎない

難しいテクニックは必要ありません。

この3つを意識するだけでも、泡立ちや泡のきめ細かさが変わることがあります。

ここでは、洗顔ペーストを例にご紹介します。

泡立てヒント1
泡立てヒント2

① 推奨量の洗顔料を手に取る

 メーカーが推奨する使用量を目安に手に取ります。

② 水を加える前に、洗顔料を手のひら全体へ薄く広げる

 👉 水が全体になじみやすくなります。

③ 手を軽くくぼませ、少量の水を加える

 👉ティースプーン1杯程度を目安に加えます。

④ 手を大きく動かしながら、空気を巻き込むように泡立てる

 👉 泡は空気を包み込むことで作られます。

⑤ 泡が増えてきたら、水を少しずつ加えながら泡立てる

 👉 水は少しずつ足した方が調整しやすくなります。

⑥ 空気をさらに取り込みながら泡立てる

 泡の様子を見ながら、空気を巻き込むように手を動かします。

⑦ 必要に応じて少量の水を追加する

 👉 泡が手のひらからすぐ流れ落ちない程度が一つの目安です。

⑧ 好みの泡になったら完成

固形石けんの場合は、濡らした手のひらに石けんをこすり付けて成分を移した後、同じように泡立てます。

粉末洗顔料の場合は、少量の水でしっかり溶かしてから空気を取り込むように泡立てると、泡を作りやすくなります。

泡立てネットを使う場合も、水を最初から含ませすぎないのがおすすめです。水は少しずつ加えながら泡立てると、きめ細かい泡になりやすくなります。


なぜこの方法で泡立ちやすくなるの?|泡ができる仕組み

泡立つ洗顔料には界面活性剤と呼ばれる洗浄成分が含まれています。

界面活性剤には、水になじみやすい部分と、油や空気になじみやすい部分があります。

水と混ぜながら空気を取り込むと、界面活性剤が空気と水の境目に並び、空気を包み込むことで泡ができます。

泡ができる仕組み

つまり、泡立てやすくするためには、

・洗顔料を水にしっかりなじませる

・空気を十分に取り込む

・水を一度に入れすぎない

この3つが大切になります。

今回ご紹介した泡立て方は、どれもこの仕組みを活かすためのコツです。

もちろん、泡立ちやすさは洗顔料の処方によっても変わります。

洗浄成分の種類や配合バランスなどによって、泡立ちや泡の特徴は異なります。

それでも、多くの洗顔料では、この3つのポイントを意識するだけで泡立ちが変わることがあります。

① なぜ先に洗顔料を広げるの?

洗顔ペーストをそのまま濡らすと、一部が塊のまま残り、水が全体になじみにくいことがあります。

そこで、水を加える前に手のひらへ薄く広げておくと、水が全体に行き渡りやすくなり、泡立ちやすい状態を作りやすくなります。

「最初に少し広げる」。

たったひと手間ですが、泡立ちが変わることもあるので、ぜひ試してみてください。

② なぜ空気を取り込む必要があるの?

泡は、空気を包み込むことでできます。

そのため、どれだけ泡立ちやすい洗顔料でも、空気が十分に取り込まれなければ泡は増えていきません。

泡立てるときは、手を大きく動かしたり、泡立てネットを使ったりして、空気を巻き込むことを意識してみてください。

「一生懸命こする」のではなく、「空気を入れる」。

このイメージに変えるだけでも、泡立て方が少し変わるかもしれません。

③ なぜ水を入れすぎると泡立ちにくくなるの?

「水をたくさん入れた方が泡立ちそう」と思うかもしれません。

でも実は、最初から水を入れすぎると、洗顔料が薄まりすぎてしまい、きめ細かい泡を作りにくくなることがあります。

一方、水を少しずつ加えていけば、泡の様子を見ながら調整しやすくなり、きめ細かい泡を作りやすくなります。

泡立ちがうまくいかないときは、「もっとこすろう」とする前に、水の量を少し見直してみるのもおすすめです。

意外と原因は、力の入れ方ではなく、水の量かもしれません。


ちょっと試してみよう|研究者はこんなところも見ています

泡立てたら、ぜひ一度、泡を少し眺めてみてください。

実は、私が洗顔料を評価するときは、泡の量だけではなく、泡の状態も観察しています。

泡の状態観察

泡立てた後、人差し指から親指の付け根あたりを両手で軽く合わせ、そのまま親指だけをゆっくり横へ動かすと、両手の間に薄い泡の膜ができます。

その泡膜をよく見ると、虹色の模様が現れたり、膜がゆっくり揺れたりすることがあります。

洗顔料によって、膜が比較的長く保たれるものもあれば、揺れやすかったり、すぐに破れたりするものもあり、「泡って意外と違うんだ」と感じる瞬間です。

もちろん、これだけで洗顔料の良し悪しを判断できるわけではありません。

でも、こうして泡を少し観察してみると、普段何気なく使っている洗顔料にも、それぞれ違った個性があることに気づけるかもしれません。


洗い上がりは、何で変わる?

同じ泡洗顔料でも、なぜ洗い上がりが違うのでしょうか。

洗顔後の肌感には、洗浄成分の種類や濃度、pH、保湿成分、皮膜形成剤、処方全体の設計などが関係します。また、同じ系統の洗浄成分を使っていても、配合量や組み合わせ、その他の成分によって使用感は変わります。

だからこそ、成分表示だけでなく、実際に使ったときの洗い上がりを知ることも必要だと考えています。

参考|同じ容量でも、使える回数は違う

各洗顔料1本でどのくらいの使用回数かを泡の吐出量を実際に測り、計算してみました。

15製品の1プッシュあたりの吐出量は平均0.97g。

13製品が0.94〜1.07gに収まり、ほとんど差がありませんでしたが、メーカー推奨のプッシュ回数と製品容量から使用回数を計算すると、同じ容量でも最大約2倍、持ちに差がでました。

製品の使用回数を考える際は容量だけでなく、メーカー推奨量も併せて考えるとヒントになるかもしれません。

評価方法

今回のマップは、大手メーカーで洗顔料の化粧品開発や評価に長年携わった専門家(筆者)1名による使用感評価です。

泡質

各製品を手のひらと顔の上で使用し、泡の見た目、広げやすさ、弾力、厚み、へたりにくさを確認。一定の評価基準に沿ってふわふわ↔やわらか↔バランス(中間)↔もっちり↔濃密に整理しました。

洗い上がり

温度・湿度を管理した室内で15分以上馴化したのち、メーカー推奨の方法で洗顔。タオルで水分を取った直後と、その3分後の肌の感触を、手で触れてしっとり↔ややしっとり↔バランス↔ややさらっと↔さらっとに整理しました。

条件と、この記事の限界

・室温22±3℃/湿度55±5%/各製品3回試行

・対象はポンプ式の泡タイプのみ

・泡質・洗い上がりの評価は専門家1名による使用感です。

・洗い上がりの評価は3分後までのもので、それ以降の変化は含みません

・肌質、季節、その後のスキンケアによって感じ方は変わります。

・より詳細は個別レビューで確認できます。

このマップは「すべての人にとっての正解」ではなく、「自分ならどのあたりの製品が好みに近そうか」を考えるための目安としてご覧ください。

まとめ

泡立てが苦手でも、特別な技術は必要ありません。

まずは、

・洗顔料を水にしっかりなじませる

・空気を十分に取り込む

・水を一度に入れすぎない

この3つだけ意識してみてください。

そして、泡立てた後は少しだけ泡を眺めてみるのもおすすめです。

普段は気づかない虹色の模様や泡の動きが見えてくると、いつもの洗顔が少し楽しく感じられるかもしれません。

skingieneでは、これからも毎日の洗顔が少し楽しくなるようなコラムや、洗顔料選びに役立つ情報をお届けしていきます。

著者紹介

加賀 裕章のプロフィール画像

加賀 裕章

博士(工学)。大手化粧品メーカーにて10年以上、主にスキンケア製品の研究開発に従事。洗顔料・クレンジング製品を中心に、処方設計から製品評価まで幅広く担当してきた。
専門は、大学での研究を基盤とした微生物由来界面活性剤(バイオサーファクタント)の洗浄機構と皮膚適合性を踏まえた洗顔料・クレンジング製品の処方設計・評価。洗浄力と肌へのやさしさの両立をテーマに研究および製品開発を行ってきた。
現在は、化粧品処方開発・製品評価のコンサルティングおよび化粧品科学に関する記事監修・情報提供を行っている。